深層生成モデルによる非正則化異常度を用いた異常検知

工業製品の製造現場において最も重要であることの一つは,製造された工業製品が期待される仕様を満たしていないときに,その製品を不良品であるとみなして取り除くことである.正確かつ自動的な異常検知によって製品の信頼性を高めると同時に,製品の点検にかかるコストを削減することが求められている. 近年,画像から直接尤度を求めることが出来る深層生成モデル(Deep Generative Model; DGM)と呼ばれる確率モデルが提案されており,異常検知において一定の成果を達成している.しかしながら,工業製品はその構造が複雑かつ多様であるため,製品を撮影した際に画像内における各部分の出現頻度が異なり,尤度が必ずしも異常度に対応しない. 本研究では深層生成モデルにおいて,非正則化異常度を用いた異常検知手法を提案する.非正則化異常度はデータが潜在的に含有する複雑さに対して堅牢であり,そのため画像内における各部分の出現頻度に依存することなく評価を行え,既存手法に比べて高い検出性能が得られる.

本研究はアイシン・エィ・ダブリュ株式会社様との共同研究として実施された.

Qiitaに解説記事を書いてくださった方がいらっしゃいました.ありがとうございます.